松前中に全国初「書道科」

update 2015/1/29 10:15


 【松前】松前中学校(坂内達也校長、生徒132人)は新年度から、文部科学省の教育課程特認校指定を受け、中学校では全国初となる書道科の授業を導入する。町ではすでに町内全小学校で書道科を設けているほか、松前高校でも書道を必修科目としており、一貫した書道教育に取り組む体制が整った。

 教育課程特認校は、特色ある学校づくりのため学習指導要領によらない独自の教育課程を編成できる制度。町教委が昨年8月に申請し、今月、文科省から指定通知が届いた。

 松前中は大島中と統合し、新年度から町内唯一の中学校となる。これまでも国語科目の中で年間20時間ほど書道の授業を行っているが、新年度からの書道科目新設で、年間30時間ほどに増える。校舎は現在改築工事が進められており、普通教室の前に水道設備を設けたほか、大きめの学習机を使用するなど、生徒が書道に取り組みやすい環境を整備している。

 同町は日本を代表する書家、金子鴎亭氏(1906〜2001年)の出身地。2008年には生誕100周年を記念して、松前公園内に同氏や門人の書を刻んだ石碑84基を並べた「北鴎碑林」を整備するなど「書のまちづくり」を進めている。

 また、町が同年施行した教育指針条例には「書を愛する心を育てる」と明記し、毎年1月に小学生から大人までが参加する「児童生徒書き初め席書大会」を開くなど、学校や地域が一体となった書道教育に努めている。

 町教委は「今後も地域の特色を生かした教育を進め、町全体に書道の文化を根付かせていきたい」としている。

(ehako注:金子鴎亭氏の「鴎」は本来、旧字の鴎です。システムの都合により旧字を避けています)

提供 - 函館新聞社

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