1年生3人 伝統受け継ぐ 函中部高校内誌「学叢」最新号編集

update 2015/1/26 10:32


 2015年度に創立120周年を迎える函館中部高校(千原治校長、生徒701人)で、校内誌「学叢(がくそう)」最新号の編集作業が終わった。学校創成期の1899年(明治32)年に創刊。同校の総合文化誌として、戦前は論文や研究文、現在は創作作品を中心に掲載し、地域の教育史資料としての側面も持つ。編集を担う学叢局には1年生3人が在籍し「学びの草むら」を意味する誌名の伝統を受け継いでいる。

 同校は1895(明治28)年、函館尋常中学校として開校。学叢は校友会の機関誌として創刊し、生徒だけではなく教職員も数多くの作品を残す。文芸評論家の亀井勝一郎(1907|66年)も在学中に論文「文明と道徳」(学叢29号、21年)などを発表している。戦時体制下でも発行を続けたが、43年3月の51号で休刊。戦後は変革期を挟んで、56年3月に復刊した。今年2月末発行の最新号が復刊後の52号で、累計で103冊目となる。

 ただ、近年は予算縮小によるn数の減少、担い手不足に悩まされている。学叢局員は、昨年4月時点で3年生の前局長1人のみだったが、現在は1年生の石井春佳さん(16)が局長、青田飛鳥さん(16)と三橋由葵乃さん(16)が副局長を務める。同7月の学校祭では特別号を発行するなど、新たな取り組みも始めたが、「『何をする部活なの?』とよく聞かれる」と校内での知名度不足も課題だ。

 最新号には、局員らの創作文をはじめ、読書感想文全道コンクールの入賞生徒作品、ESS部員による昨年着任した英国人ALTへの英文インタビューなどを掲載予定で、2月末に全生徒に配布する。

 新年度は創立120周年の記念号としたい考えで、学叢局を経験したことのある卒業生への取材、学校の歴史をたどる内容とすることなど、構想を練り始め、節目を契機に学叢局を再び盛り上げようと意欲的。3人は「過去の学叢をたどると教科書にはない歴史を知ることができ、私たちのつくる1冊もいずれは学校の歴史に加えられる。120周年に向けて局員を増やして、興味を持って読んでもらえる内容にしたい」と話している。

提供 - 函館新聞社

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