大間原発の審査開始
update 2015/1/21 10:29
【東京】原子力規制委員会は20日、電源開発(東京)が建設中の大間原発(青森県大間町)が、新規制基準に適合するかどうかを判断する審査の初会合を開いた。建設中の原発の審査は初めてで、初回は電源開発側が申請の概要を説明。委員からは厳しい指摘も寄せられた。
電源開発は昨年12月16日に適合審査を申請し、2021年度の運転開始を目指す方針。同社は初会合で、使用済み核燃料から出たプルトニウムとウランを混合して再利用するMOX燃料を、最終的に全炉心に装荷する「フルMOX」の計画と安全対策について説明した。
地震・津波対策では基準地震動を従来の450ガル(加速度の単位)から650ガルに引き上げ、想定する津波の最大値(基準津波)も現行の4・4bから6・3bに見直すとしている。また、過酷事故に備えて、新規制基準で義務付けられたフィルター付きベント(排気)の設置方針とともに、非常用の所内電源としてディーゼル発電機3台、蓄電池7台を配備すると説明。
一方、一部専門家が指摘する海底活断層に対しては存在を否定したほか、想定される航空機墜落による火災についても「原子炉施設の安全性に影響を及ぼさない」との見解を示した。
規制委は、大間原発が世界初のフルMOX商業炉となることから慎重に審査する方針。初会合では今後の審査に向けた論点を1〜2週間以内に提示することを明らかにした。
更田豊志委員長代理は「電源開発にとっては最初の原発。要求レベルをクリアするにとどまらず、可能な限りより高い安全レベルを実現する姿勢を見せてほしい。10年前や20年前に設計されたものと同じレベルの安全性を満たせばいいという姿勢では困る」などと指摘した。
会合は動画サイトを通じて生中継された。函館市は国と同社を相手に、同原発の建設差し止めを求めて提訴している。
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