江差の松村さん、戦争体験本を自費出版「悲惨さ語り継ぐ」
update 2015/1/20 10:46
【江差】季刊文芸誌「江さし草」の代表を務める、町内の松村隆さん(88)が、戦争やシベリア抑留などの実体験をつづった「軍隊一月(ひとつき)・捕虜二年の青春」をこのほど自費出版した。戦後70年の節目にあたり「戦争の悲惨さと平和の尊さを語り継ぐ責任を強く感じて執筆した」と思いを寄せる。
松村さんは1945(昭和20)年7月に18歳で兵役に就き、翌月に樺太(サハリン)で終戦を迎えた。入隊は20歳からだったが戦争の拡大と兵力不足など「軍の都合で兵役年齢が勝手に繰り下げられていた。私もいずれ兵役に就くことは覚悟していたから男子として当然の勤めだと疑うことはなかった。『日本は絶対に負けない』と疑っていなかった」とし、「子どものころから教え込まれ、特攻隊を賛美していた。教育の力は怖いと知るのは後のこと」と強調する。
47年1月に帰国するまでのシベリアでの捕虜生活を詳細に記録。「飢えと氷点下零下30〜40度の労働は過酷極まる。体力が衰え、朝目を覚ますと隣の仲間が死体となっていて明日は我が身かと恐怖の日々だった」と振り返る。改行 夕食後も空腹を満たせず眠りにつくとき「いつも思うのは故郷の暮らしだった」という。ある日収容所で尺八の音色を耳にした。望郷の念にかられ、家族や祖国を思う仲間とのやり取りが印象的だ。
その中で「芸が身を助ける」と得意だった歌が仲間らに評価されて作業班から演芸班に抜擢された。労働から解き放たれ「歌によって救われるなど思いもしない出来事だった」と後押ししてくれた仲間への感謝を忘れない。そして復員船から見た舞鶴の景色に「日本はこんなに美しいのか。祖国を離れてみなければ知ることのできない感動だった」とする。
松村さんは執筆にあたり、「最近の日本が戦争に向かい始めたあのころに雰囲気が似てきている感じがして心配だ。私の負の青春を伝えることで、平和を守るという意義を多くの人と共感できれば」としている。
四六判153n。1000円。町内の万年屋書店のほか函館市の文教堂書店函館テーオー店などで販売している。
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また、出版記念の講演が20日午後6時半から江差町役場保健センターで行われる。平和を語るつどい実行委の主催。入場無料。
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