湯倉神社・伊部宮司 遺骨収集 慰霊の旅へ…来月沖縄訪問

update 2015/1/18 10:27


 北海道神道青年協議会の会長を務める湯倉神社(函館市湯川町)の伊部宗博宮司(41)らが来月、太平洋戦争の沖縄戦で命を落とした北海道出身者の遺骨収集と慰霊のため、沖縄県糸満市を訪問する。戦後70年を経て戦争を知る世代は減少している。「今後、戦争のことを後世に伝えていくのは我々若い世代の責任であり、義務だ」と伊部宮司。強い使命感を胸に70年前の激戦地に向かう。

 今回の旅は、同協議会が昨年、創立65周年を迎えたことから、記念事業のひとつとして行う。10年前は慰霊祭だけだったが、遺骨が残る壕(ごう)の閉鎖が進んでおり、遺骨収集もすることになった。旅に出るのは道内の若手神職約20人。道南からは伊部宮司を含めて3人が参加する。

 沖縄戦の犠牲者は日米合わせて約20万人。このうち北海道出身者は1万人以上で、沖縄出身者に次いで多いという。本道出身者が多くいた部隊が、太平洋戦争末期にちょうど沖縄に派遣されていたためだ。「神職になる前はこの事実を知らなかった。現在の平和な社会、豊かな暮らしがあるのも命をささげた先人のおかげ。しっかりと祈りを捧げたい」と決意を強くする。

 旅程は2月24〜27日の4日間。北海道神社庁が行う慰霊祭に参列した後、26日に同市に残る壕で遺骨を探す。壕の中は屈んでようやく前へ進める場所。スコップで地面を掘る地道な作業になるという。「壕では火炎放射器で多くの人が焼かれてなくなった。苦しい最期で、1日も早く遺骨を掘り起こさなければならない」と話す。

 作業後には見つけた遺骨と1万柱の北海道出身者のために慰霊祭を執り行う予定だ。「沖縄から帰ってきたら、経験や肌で感じたことを地域の人たちに伝えていく。いろいろな場面で語るつもり。そこから戦争や平和について考えてもらえれば」

提供 - 函館新聞社

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