タイの格安航空、函館線も視野
update 2015/1/15 10:24
タイの格安航空会社(LCC)「タイ・エアアジアX」のナッダー・ブラナシリCEO(最高経営責任者)ら同社関係者が14日、来函し、函館市役所で工藤寿樹市長と懇談した。ブラナシリ氏は新千歳空港線の就航に向けた準備を進めているとし、「北海道で1日2便の運航を考えている」と述べ、函館が有力な候補地であることを明かした。
同社は2013年に設立し、昨年4月から営業運航を開始。バンコク・ドンムアン空港と、成田空港、関西国際空港を結ぶ路線を開設している。機材(377人乗り)は2機所有しているが、年内に6機まで増やす計画があるという。
函館を訪れたのはブラナシリ氏のほか、営業や広報担当の幹部ら7人。同日午前に函館空港に到着し、国際線ターミナルビルでCIQ(税関・出入国管理・検疫)体制の状況を視察後、五稜郭タワー、夜景観賞など市内の観光スポットを回った。
懇談で工藤市長は北海道新幹線開業で青森県内が1時間圏内になることや、登別や洞爺湖、ニセコなどが含まれる函館─札幌間を「北海道のゴールデンルート」と紹介。函館に航路を開設している台湾の航空会社や中国・天津航空を事例に新千歳と函館に航路を開設することで「効率的に旅行を楽しむことができる」と述べ、チャーター便、定期便の就航を要請した。
ブラナシリ氏は新千歳線は1日1便の毎日運航としたい意向で、将来的に「札幌以外」で道内向けの路線を開設し、新千歳と合わせて1日2便体制とする考えを示した。その上で「函館を見なければ北海道旅行は完成しない」と述べ、函館側の受け入れ環境の充実を要望。同社はターゲットとする個人客向けに函館の情報発信を強化するとした。
函館を訪れるタイからの観光客は新千歳に定期航路が開設された2012年以降、急増。11年度に826人だった市内の宿泊客数は、12年度2346人、13年度8918人となり、14年度は上期(4〜9月)で4700人だった。市は外国人観光客誘致の重点地域と位置付けて13、14年度に同国でトップセールスを展開している。
ブラナシリ氏ら一行は15日は登別や小樽、札幌を回り、16日に帰国する。
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