スルメイカ3年連続不漁が濃厚
update 2015/1/12 10:07
道南スルメイカ漁が最終盤(漁期は1月末まで)に入り、3年連続の不漁がほぼ確実な情勢となった。函館市水産物地方卸売市場(豊川町)での昨年6〜12月の生鮮スルメイカ取扱量は前年比17%減の3510dとなり、2008年度以降最低だった13年度(3999d)を下回る。一方、6〜12月の1`当たり平均価格は同31円高い364円で、08年度以降最も高い。
市農林水産部によると、昨年12月の取扱量は同17%減の495d。単価は同73円高い402円と数量減の単価高となった。1月は5日に2・8d、6日に557`の水揚げがあったが「今後はあまり入荷が望めないだろう」と同部。
今季単月で前年の数量を上回ったのは10月の602d、11月の1313dの2カ月のみで、漁期後半の巻き返しが目立った。6〜12月の取扱金額は同10%減の12億7644万円。単価は高かったが、数量減により金額全体が落ち込んだ。
同部は「冷凍イカも含め、本年度はイカ全体の単価が高かった。しかし、イカが捕れなかったので漁業者、加工業者、市場関係者みんなが厳しい年だった」と振り返る。
道総研函館水試(金森浩一場長)の澤村正幸研究主査は「今季は漁期前半の低迷が最期まで尾を引いた。前半の不漁は、太平洋側の群れの回遊経路が例年に比べ沖寄りとなって函館周辺に漁場が形成されなかったこと、日本海側から太平洋へのイカの移動もあまりなかったことが要因」と指摘。「資源量が減っている状況とは考えられず、来年度の水揚げも漁場形成によって左右されるだろう」としている。
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