「いずし」伝承へ、函短大が「郷土料理データベース」第2弾
update 2015/1/8 10:15
函館短大(上平幸好学長)が本年度取り組む「郷土料理データベースプロジェクト」で、いずしの漬け込み作業が7日、同短大で行われた。昨年秋の「くじら汁」の試作に続く第2弾で、道南の家庭でよく食べられる料理のレシピのデータを集め、インターネット上で公開する。初心者でも作れるような成果物を目指す。
食物栄養学科の澤辺桃子准教授ら6人がチームを組み、南北海道学術振興財団(函館)の助成を受けた。いずしは、同短大非常勤講師で管理栄養士の青山浩子さんがレシピを提供した。
7日の試作では、味の違いが出るかどうかを確かめるため、ポリ容器と木だるの2つを用意。作り方は一緒で、下からコンブ、ササ、野菜、ショウガ、ユズ、タカの爪、サケ、ご飯と清酒を混ぜ合わせたもの、米麹(こうじ)の順に敷き詰めていった。野菜以降を繰り返し5、6層分入れ、最後に漬物石で重しをかけた。
この状態で約1カ月、室温10度で寝かせて2月上旬に完成予定。出来上がったいずしは人の味覚による官能評価を行うほか、道総研食品加工研究センター(江別市)に送り、味覚センサーで味を数値化する。
プロジェクトメンバーで同学科2年の石崎華奈子さん(20)は「祖父が家で作るいずしは、具材が大きめで水分は少なめ。実際に作ってみて、野菜や魚の下処理が大変だと思った」と話した。
郷土料理を作る上で、食材や調味料は各家庭で適宜≠ニなっており、初めて作る人は戸惑うケースが多い。そこで味や調理法をデータベース化すれば、伝承が可能になるという。澤辺准教授は「今後もイカの塩辛やニシン漬け、三平汁など、他の郷土料理でもデータベースの構築を目指す」と意気込んだ。
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