倒産 過去20年で最少…14年管内
update 2015/1/7 10:13
民間信用調査会社の東京商工リサーチ函館支店は、2014年の渡島、桧山管内の企業倒産件数をまとめた=別表。負債総額1000万円以上の倒産件数は前年比8件減の15件となり、比較可能な1995年以降、過去20年で最も少なかった。負債総額は前年に比べ23億3100万円減ったが、大型倒産が発生した影響で、77億4700万円だった。
件数は2010年から20件台に減少しており、低水準を続けている。これまで最も少なかったのは12年の18件。同支店は「アベノミクスの効果で公共工事が増加したことや消費税増税前の駆け込み需要、金融機関の返済猶予といった支援が倒産件数減少につながった」と分析する。
一方、負債総額は過去10年で6番目の多さ。10億円以上の大型倒産は前年の4件よりも2件減ったが、9月に経営破たんした地場の老舗建設業者、加藤組土建が約41億円の負債だったことから、全体を大きく押し上げる結果となった。
業種別ではサービス業が5件で最多。小売業が4件、卸売業と建設業がそれぞれ2件だった。建設業の倒産が少なかったことも特徴で、公共工事の増加が要因。地域別では函館市が13件で大半を占め、森町と江差町で1件ずつあった。
同支店は「駆け込み需要の反動減に加え、原材料や燃料価格の上昇分を価格に転嫁できない業種は苦戦しており、倒産は緩やかに増加傾向で推移する」と厳しい見方をしている。
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