笠井さん、将棋の「竜王戦」に出場
update 2014/12/25 10:23
函館市柏木町の自営業笠井将生(まさお)さん(30)=日本将棋連盟函館支部幹事長、アマチュア五段=が、日本最高峰の将棋のプロ公式戦「第28期竜王戦6組」(読売新聞社主催)に出場した。函館のアマ棋士では初となる歴史的快挙だ。22日に対局を終え1回戦で敗れたものの、「プロの世界の厳しさを肌で感じることができた。自分を超えられる人を育てられれば」と決意を新たにしている。
竜王戦は、全7タイトル戦の中で最高峰の棋戦。出場棋士を1〜6組に分けてトーナメント戦を行う。6組には58人が出場、アマチュアは笠井さんも含め5人。プロ棋士の増田康宏四段と対戦した笠井さんは「序盤からリードを許し懸命に追い上げようと頑張ったが、相手が一枚上手で差がどんどん開き、終わってみたら完敗だった」という。
笠井さんは、今年6月の第27回アマチュア竜王戦で全国4位の好成績を収め、日本将棋連盟から推薦を受けてプロ戦への出場が決まった。笠井さんは「アマチュアの大会とは別物で、あこがれのプロと勝負できたのは光栄なこと。プロは強かった」と振り返る。
笠井さんは小学4年から同支部(千代台町)に通い将棋を学んだ。現在も日曜は同支部で腕を磨き、道内の大会にも全て出場。長年指導してきた棋導師範の太田昭夫さん(86)は「プロとアマチュアが対等に戦えるのは画期的なことなので、ぜひ一局でも勝ってほしかった」と教え子の活躍を喜ぶ。
「将棋の世界では、30歳を過ぎると力が落ちていくといわれる。棋士としては好成績を残せたので、今後は後進の育成に力を入れたい」と笠井さんは前を向く。将棋の普及発展に努めていく考えだ。
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