彬子さまが函館訪問 懇談、講演で留学経験語る
update 2025/11/9 07:46
三笠宮家の彬子女王殿下が、北海道青少年科学文化財団創立50周年の関連事業として6〜8日の日程で函館を訪問された。市内高校生との懇談や講演などで自身の経験などを伝えた。
同財団は、科学、文化の幅広い知識と豊かな国際感覚を持つ有為な青少年を育成するために必要な事業を行い、社会の発展に寄与することを目的とした財団。彬子さまは2014年に名誉評議員に就任された。
8日午前に遺愛女子高校の本館旧講堂で開かれた懇談には、同校の1年生や市内の高校から38人が参加した。
彬子さまは、函館市の印象について「港街と異国情緒が混ざり合う独特の雰囲気と文化を感じる」とし、遺愛高校については「ワクワクするような建築で、北海道らしさが感じられてすてき」と話された。
オックスフォード大学(英国)に留学された際の留学記「赤と青のガウン」に関する質問では、「留学する前に準備するべきことは」という問いに対し、「外国人に正しく日本のことを知ってもらうために、日本について理解すること。誇りを持って日本のことは伝えなればならない」と話された。
遺愛高1年の江田ほのかさん(16)は「話を聞いて留学に興味を持った。自分も目標を持って、さまざまなことを身につけていきたい」と話していた。
午後に函館国際ホテルで開かれた特別講演では、彬子さまが「英国で学ぶ日本美術」をテーマに講演。市内の高校生と市民300人が参加した。
オックスフォード大学への留学中の学校生活や、大英博物館で日本関係の作品の資料整理に携わったことなどについてご講演された。明治時代に同博物館で日本人の古筆鑑定家が行った調査について語った場面では「調査により博物館に雑多にまとめられていた日本作品に、作者の名前や価値、真贋などが書き加えられるきっかけになった」と説明。
彬子さまは当時を振り返り「展示されていない多くの収蔵品がある中、タイムカプセルを開けるような役割に携われたのは誇りである」と話された。
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