キングサーモン初水揚げ 人工種苗、国内初の海面養殖 函館市と北大
update 2025/7/1 20:01
函館市と北大は6月30日、キングサーモン(マスノスケ)の完全養殖技術研究で函館漁港のいけすで養殖したキングサーモン約100匹を初水揚げした。1期目の海面養殖が終了し、重量にばらつきがあるものの、大きいもので4キロに達する個体も。純国産の人工種苗を用いた海面養殖試験は国内初で、水揚げにこぎ着けることができた。
市は、主力のスルメイカや秋サケの不漁が続く中、国内初のキングサーモンの完全養殖技術の確立に挑んでいる。2021年度から市、北大、函館国際水産・海洋都市推進機構がタッグを組んで研究を始め、22年度からは内閣府の地方大学・地域産業創生交付金(22〜26年度)を活用した「函館マリカルチャープロジェクト」として事業化を目指している。
今回水揚げした魚は22年に作出した人工種苗を使っており、昨年12月中旬に函館漁港に設置した5メートル四方、深さ3メートルのいけすに幼魚140匹を投入。函館サーモン(トラウトサーモン=ニジマス)と同じ魚粉や油を混ぜ込んだ餌を与え約6カ月育てた。この日はスタッフ8人がタモ網を使い、生きのいい魚を次々と水揚げした。
一般的に養殖トラウトサーモンは生残率が85%とされ、キングサーモンもこれに近い80%を目指す。水揚げした魚は、北大で餌の開発や健康機能性成分の分析、加工特性の解析などに使うという。
函館マリカルチャープロジェクトサーモン研究部会長の藤本貴史北大大学院水産科学研究院教授(48)は「今回の養殖試験は成功。キングサーモンは養殖のため作られた魚ではなく、野生の魚なので、育てるのに苦労した。軌道に乗るよう努力し、函館に来ればキングサーモンが食べられるようにしたい」と意気込んだ。
水揚げを見守った市の鹿礒純志農林水産部長は「国内初の水揚げが終わり、ほっとした。関係者の協力に感謝したい。来年は尾数を拡大するので順調にいくことを期待したい」と話した。
今年11月には、函館漁港のほか、大森浜沖でも海面養殖を開始予定。
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