道南スルメイカ初水揚げ 最高値1キロ8300円

update 2025/6/9 20:41


 今月1日に解禁となったが不漁で水揚げがなかった道南スルメイカ漁は9日、函館市の函館漁港に今季初水揚げした。市水産物地方卸売市場でいけすイカ160キロ(昨年113キロ)の初競りを行い、最高値1キロ8300円(同8000円)のご祝儀相場で取引された。約1週間遅れで初競りを迎え、市場関係者にも安堵(あんど)感が広がった。

 解禁初日の漁獲はほぼゼロで、初水揚げが行われず、1965年の市場開設以来、初めて初競りも中止に。漁師も出漁を見合わせていたが、8日に再開され、函館市漁協所属の10隻が1週間ぶりに出漁した。

 9日午前5時すぎ、漁師が船内のいけすからイカをタモ網ですくい上げると、イカは勢い良く水を吐き出し、体を伸び縮みさせた。この日はイカ全体で約300キロ(同221キロ)が水揚げされた。

 漁師の田原正明さん(65)は「イカが少ない。漁場では青森の漁船がみんな早々に引き返していった。先行きが不安」と話した。

 函館魚市場によると、イカの重量は50〜60グラムで小ぶり。同社の美ノ谷貴宏取締役営業部長は「水揚げがあって、ひと息ついた。年々スタートは魚体が小さい傾向にある。これから最盛期になるので、成長していってくれれば。今後の漁に期待したい」とした。

 イカは早速、函館のスーパーや鮮魚店に並んだ。はこだて自由市場(新川町)のイカ専門店「富田鮮魚店」は、いけすイカ20キロを仕入れた。店頭であめ色に輝くイカの初物を来店客が次々と買い求めた。富田和子社長(75)は「水揚げがあって安心した。これから少しずつ量が増えてくることを期待したい。初物を待ってくれているお客がいるのでありがたい」と笑顔を見せた。

 函館では、夏から秋にかけてスルメイカ漁のピークを迎えるが、近年は記録的不漁が続いている。漁期は来年1月末まで。

提供 - 函館新聞社

その他の新着ニュース

前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです