桧山沖沖洋上風力促進区域へ期待の声
update 2025/3/25 06:58
【江差】国が推進する桧山沖(乙部町を除く)の洋上風力発電事業に向け、地元自治体などでつくる法定協議会(座長・牛山泉足利大学名誉教授)は、19日に開いた江差町での会合で事業者を公募、選定する「促進区域の指定」の手続きに入ることで合意した。国は協議会で取りまとめた意見を受け、新年度中にも指定する見通し。建設資材の高騰などで洋上風力を取り巻く状況は決して楽観視できないが、事業化に欠かせない地元の合意形成が整ったことで各町から一層の事業推進とそれに伴う地域振興に期待する声が相次いだ。
道内では松前沖に続き、指定に向けた手続きに入る。協議会で提案する指定区域は乙部町を除いたせたな、八雲(旧熊石町地域)、江差、上ノ国の4町沿岸3万2159ヘクタールで、計26カ所に風車を設置する。出力は国内最大級の114万キロワットが見込まれている。
取りまとめた意見は「指定に異存はない」とし、設備の設置位置や建設時の対応など選定事業者に求める留意事項として大きく5項目を提示。項目ごとに住民に対する説明や漁業者との事前協議などの基本的な考え方を細かく定め、発電事業を通じた桧山の将来像を示した。
牛山座長は「(取りまとめた意見に)皆さんの熟議した結果が反映され、これなら指定は大丈夫と確信した。これをベースにさらに発展できるだろう」と総括した。
桧山管内洋上風力事業推進協議会長を務める上ノ国町の工藤昇町長は「町民にも胸を張って推進できる。国内最大規模の洋上風力は地域振興の千載一遇のチャンス。これからも地元から積極的に提案していく」と力を込め、照井誉之介江差町長、岩村克詔八雲町長、高橋貞光せたな町長も今後の事業進展に支援していく考えを述べた。整備海域に含まれないが、協議会にオブザーバーとして参加する乙部町の寺島努町長は「当町の住民、漁業者に配慮し感謝。今後の安全な建設、稼働を願っている」と述べた。
ひやま漁協の工藤幸博組合長は意見の内容を評価した上で「今後明確なスケジュールを示してほしい。遅くとも26年度中には事業者の決定を」と求め、「不安は払しょくされたわけでない」と洋上風力を取り巻く状況に懸念も示した。
意見ではこのほか、選定される事業者が地域や漁業の振興策の一環として拠出する基金の総額について、発電設備出力の規模に1キロワット当たりの単価(250円)、占有できる最大認定期間(30年)をかけた金額を目安とした。最大で85億5000万円が見込まれ、漁業振興に8割、地域振興に2割を充てることとしている。副座長を務める東邦大学の竹内彩乃准教授は「基金の使い方を見える化することが重要となる。地域の人がプロセスに参加することも方法の一つ」と述べた。
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