台湾観光客に冬の道南売り込み 函館コンベンション協会が魅力発信動画 モニターツアーで掘り起こし
update 2024/1/31 22:28
函館国際観光コンベンション協会(森健二会長)は、国際定期航空便就航で増える台湾人観光客の道南周遊観光を促進しようと、プロモーション動画の作成に着手した。課題とされる冬場の魅力を紹介するため、道南在住の台湾人によるモニターツアーを実施し撮影。2月末に動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開を予定し、一層の旅行需要喚起につなげる考え。
函館市がまとめた2018年度の訪日外国人宿泊客数の国別構成割合をみると、台湾人観光客は全体の半数近くを占める。航空路線はコロナ禍で長期運休を余儀なくされたが、23年5月に台湾の格安航空会社・タイガーエア台湾による函館―台北(桃園)の定期便が3年3カ月ぶりに再開した。2月1日にはスターラックス航空が新たな定期便を就航する。
国際航空路線の再開で台湾のインバウンド需要が回復傾向にある中、道観光振興機構道南地域分科会と共に動画作成を企画した。閑散期とされる冬場の観光コンテンツの掘り起こしは喫緊の課題だ。ツアーでは函館のみならず、広く道南地域にコースを設定し、随所に体験型観光の要素も取り入れた。
モニターツアーは23〜25の3日間実施した。函館市内の主婦、リュウ・ジェンナさん(55)、七飯町在住で北海道国際交流センター(HIF)勤務のチン・メイシュウさん(38)の2人が参加した。
鹿部の道の駅しかべ間歇泉公園や大沼国定公園を訪れたほか、函館七飯スノーパークでは雪原を歩くスノーシューを体験。大沼でワカサギ釣りに挑戦し、釣った魚はその場で揚げて味わった。2人は「台湾にワカサギ釣りはない。大沼はJRの駅があってアクセスが良く、台湾人に人気なエリア。動画を通じて道南の魅力を伝えたい」と話した。
七飯と木古内の道の駅、北斗のトラピスト修道院を撮影したほか、松前町の松前城で歴史の説明も受けた。「五稜乃蔵」や「郷宝」といった地酒の利き酒も体験した。桧山管内についても上ノ国町の上ノ国ワイナリー、乙部町の滝瀬海岸を訪問、江差追分会館で「江差追分」に触れた。動画は10分程度に収め、台湾人向け字幕には繁体字を使用する。
コンベンション協会の高松義彦係長は「例えば、松前城というとサクラのイメージだが、一味違った冬の魅力も発信できたのでは。雪景色の道南も楽しんでもらうため、より多くの人に見られる動画にしたい」と話している。
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