新幹線開業 青函連携強化が不可欠 函高専の奥平理准教授が講演
update 2016/1/24 10:28
函館観光の底上げを図る観光ボランティア育成セミナーが23日、市地域交流まちづくりセンターで開かれた。函館高専の奥平理准教授が「函館観光の魅力の源とは?」と題して講演。函館の歴史や景観の成り立ちを紹介し、新幹線開業に向けた青函連携の方策を提言した。
昨年12月に全5回の日程で開講し、この日が最終講義。奥平准教授は「人文景観と自然景観の両方に恵まれ、一体化しているのが西部地区周辺。天からのお宝を享受している私たちが観光客にどうやってお伝えしていくかが重要になる」と述べた。
新幹線時代に向けて、青函連携の推進が欠かせないと指摘。連携の一例として、共通ルーツを持つ青森のねぶたと函館の七夕で行われる「ろうそくもらい」の風習の再融合、「津軽ひば」を利用した青森版クリスマスファンタジーの開催といった両地域にまたがるイベントの構築を挙げた。
交通面では、ともに3000メートル滑走路を持つ函館、青森両空港は開設路線にも相互補完性があると紹介。津軽海峡上の豊かな景観を楽しむことができるフェリー航路、高速道路とも絡めて、新幹線の速達性を軸にした青函周遊型の観光コースが新たな魅力になるとした。
また、北陸新幹線開業後の金沢の混雑ぶりに触れる一方で、金沢では函館開業に対する危機感を持っていると紹介。奥平准教授は「金沢では(想定以上のにぎわいで)『こんなことになるとは思わなかった』という声があった。あともう少しで函館も状況は激変する。函館の悪いところをけなすのではなく、いいところを褒めまくってほしい」と結んだ。
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