レール検査データ改ざんでJR北海道と役員ら書類送検
update 2015/12/23 10:22
2013年9月にJR函館線大沼駅(七飯町)で起きた貨物列車の脱線事故を発端に、レール幅の異常放置や検査データの改ざんなどが明るみになった事件で、道警は22日、法人としてのJR北海道と保線業務を担当する同社幹部ら19人を、運輸安全委員会設置法違反(虚偽報告)と鉄道事業法違反(虚偽報告、検査忌避、虚偽陳述)の疑いで札幌地検に書類送検した。また同日、事故当時、大沼保線管理室の担当者だった男性1人を業務上過失往来危険の疑いで函館地検に書類送検した。
法人と幹部ら19人に対する送検容疑は、国土交通省監査員が行う函館保線管理室に対する立ち入り検査などの際、「軌道狂い検査表」などのデータを改ざん・ねつ造して検査を妨害、監査員にも虚偽の陳述をするなどした疑い。
大沼保線管理室の元担当者に対する送検容疑は、脱線する可能性があったのにもかかわらず、レールの改修作業を怠って脱線事故を招き、列車運行に危険をもたらした疑い。
業務上過失往来危険容疑について、函館方面本部と函館中央署は専従署員を18人配置、数十人を取り調べるなどしてきた。押収した膨大な証拠品の分析に時間を要したほか、「(脱線直後のデータ改ざんなどが)捜査上ネックになった」と同社の隠ぺい体質が事件解明に向けて大きな障害になっていた。
事故は、18両編成の貨物列車が大沼駅構内で、6両目の左車輪が落ち、7〜9両目が脱線。同省の事故調査報告書によると、現場付近のレール幅の超過は社内基準の2倍以上で、記録では少なくとも3年間、レール整備が行われていなかったことが分かっている。
関係者の書類送検を受けてJR北海道は同日、「極めて厳粛に受け止めている。今後、検察の捜査に最大限協力するとともに、事故後に講じた対策を確実に実施し、日々の輸送の安全を確保して鉄道の再生に取り組みたい」とコメントを発表した。
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