ノロ集団感染 前年比214人増
update 2016/12/27 08:30
ノロウイルスによる感染性胃腸炎が全国的に流行し、函館市内でも今季の集団感染発生状況は前年同期比3件214人増の8件331人と猛威を振るっている。市立函館保健所では、手洗いを中心とした感染予防の徹底を呼び掛けている。
ノロウイルスに感染すると、下痢やおう吐などの症状を引き起こす。通常1〜2日で症状は治まるが、抵抗力の弱い乳幼児や高齢者の場合は重篤化して命に関わる恐れもある。ほとんどが口から体内に入り、ウイルスが付いた手で調理した食品を食べたり、ウイルスが付いたほこりを吸い込んだりすることで感染する。
同保健所保健予防課によると、アルコール系の消毒薬はノロウイルスにはほとんど効果がなく、最も有効な予防法はこまめな手洗いだという。手を洗った後に蛇口も洗うことや、タオルの共用を避けることも併せて呼び掛けている。
今季流行しているノロウイルスは遺伝子変化が見られ、感染力が高まっているという。そのため、高齢者施設などでは感染対策を徹底している。
市内などで老人ホームやデイサービス6施設を運営する社会福祉法人・青雲の森では、利用者が廊下などでおう吐した場合に備え、使い捨てのエプロンや手袋、塩素系の消毒液などを収納したキットを各施設に常備し、すぐに対応できる体制を整えている。同法人の相談員、松田崇さんは「職員向けの勉強会を行うなど、感染症に対する知識を共有して予防に努めていきたい」と話している。
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