昨年度の虐待認定、過去最多337件
update 2016/12/16 09:34
函館児童相談所(函館市中島町)に2015年度、渡島、桧山管内から寄せられた児童虐待に関する相談の中で、虐待と認定して処理した件数が過去最多の337件に上ったことが分かった。前年度比70件増で、虐待問題への社会的関心が高まったことが背景にある。全体の相談件数は55件増の471件となった。
同相談所によると、内訳は言葉や態度による心理的な虐待が185件と54・9%を占め、次いでネグレクト(育児放棄)が86件(25・5%)、身体的が65件(19・3%)、性的が1件(0・3%)。性的虐待は前年度と同数だったが、周囲が分からず、被害が潜在化する傾向が見られるという。
虐待者は実母が147人と最多で、実父が141人。継父や養父など実父以外も49人おり、男親による虐待が目立つ。虐待を受けた子どもは小学生が118人と最も多く、3歳〜就学前が87人、3歳未満が58人と続いた。就学前でみると計145人となり、小学生を上回った。
虐待が深刻だと判断し、親から引き離すため児童施設に入所させたのは2件増の7件、里親に委託したのは3件増の4件。
相談主は警察が178件と最多で、年々増加傾向にある。都道府県が42件、近隣・知人が39件、市町村が22件。児童本人からも2件あった。
市町別では、函館市が229件で53件増と増え方が大きく、全体の数字を押し上げた。北斗市が2件減の35件、八雲町が11件増の23件、七飯町が5件増の20件。桧山全体では6件増の7件だった。同相談所は「虐待問題に対する世間の関心が高まり、通告が増えたのでは」と分析している。
一方、渡島総合振興局(配偶者暴力相談支援センター)での15年度のDV(配偶者などからの暴力)相談件数は3件減の109件となり、被害者本人からは前年度と同じ97件。うち女性からの相談は3件増え93件となった。桧山振興局(同センター)での相談件数は1件減の1件。函館市が設置している同センターでの本人からの相談件数は11件減の303件だった。
渡島合同庁舎で今月7日にあった道主催の「道南地域要保護児童対策・配偶者暴力防止対策連絡協議会」で報告された。
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