市民会館休館でホール争奪戦し烈
update 2016/11/2 09:44
耐震改修工事のため2017年11月から20年3月までの休館を予定している函館市民会館。約1400人を収容できる道南最大規模の大ホールが長期にわたって使用できなくなる影響は、市内の各文化団体に広がっている。代替施設の一つとなる函館市芸術ホールでは1日に、来年11月の利用希望者を対象とした抽選会が行われたが、前年から7団体多い19団体が参加。複数団体の利用が競合する場面も見られた。
市民会館、芸術ホールともに、利用希望者は1年前の毎月1日に抽選を実施する。今月から市民会館が募集しなくなったため、約800人を収容できるホールのある芸術ホールに利用者が集中することが予想されていた。
1日は5団体が同じ利用希望日で競合するなど、早くも“ホール争奪戦”の様相に。無事に利用日を確保した函館演劇鑑賞会の鈴木順子事務局長は「当初は12月に開催を予定していたが、比較的競争率の少ない11月にずらして安全を図った。それでも予想以上にたくさんの利用希望者がいて驚いた。次回以降も確実に会場を確保できるかは不安」と本音を漏らす。
また、年に6回のステージを市民会館で開催してきた「はこだて音楽鑑賞協会」は、来年12月以降は芸術ホールに会場を移すことを検討している。抽選会に訪れた同協会の梶原康男事務局長は「現在約1000人の会員がいるため、芸術ホールだと、公演日数をこれまでの1日から2日に増やす必要がある。(競争が)2日間ホールを確保できるか不安を感じる」と話す。
同協会は1000人規模のホールがある北斗市総合文化会館や七飯町文化会館での開催も視野に入れていたが、会員へのアンケートでは、アクセスの面から否定的な声が多かったという。梶原事務局長は「2日間公演にすることで経費も膨らむ。年6回から5回公演にすることも検討している」と苦しい胸のうちを明かす。
函館市教委生涯学習部生涯学習文化課は「市民から問い合わせがあれば、市内外の施設の情報を提供したい」とし、予約の調整などは行わないとしている。
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