函水高生3人、遺跡調査映像に音声ガイドと手話をプラス

update 2016/9/15 09:43


 【北斗】函館水産高校(野呂俊夫校長)の2年生3人が、24日に北斗市総合文化センターで開かれる第11回北海道ユニバーサル上映映画祭(実行委主催)で上映予定の「サイベ沢遺跡調査映像」に、音声ガイドや手話をつける取り組みを進めている。ボランティア部所属で音声ガイド担当の小島遥華さん(17)、手話担当の土屋七海さん(16)と佐藤美玖さん(17)は「練習した手話やアナウンスを見に来てほしい」と話し、本番を心待ちにしている。

 函館市桔梗町に位置するサイベ沢遺跡は、縄文前期初頭から中期末までの約2000年間におよぶとされる大規模集落跡で、遺物の円筒土器などが道指定有形文化財となっている。映像は1949年5〜7月に行われた発掘調査の様子を撮影した約4分半のフィルム。昨年夏に市立函館博物館で発見され、デジタル化に至った。

 映像そのものに音声はなく、3人は実行委から依頼を受け、8月から同館で考古学を担当する学芸員の小林貢さんらのサポートを受けて台本化に着手。映像を分析しながら台本化していく中で、専門用語をわかりやすく伝える言葉や表現に苦労したと声をそろえる。

 昼休みや放課後、10分でも時間があると打ち合わせや練習に励んでおり、佐藤さんは「3人でいると楽しいので苦にならない」と笑顔。小島さんは「学校祭も近く、アルバイトなどもあるが、時間ができれば連絡を取り合う」と話す。

 骨組みが見えてきたところで、9月初めごろからは手話の構成に取り掛かった。手話は実行委役員の相馬恵美さんから指導を受けたという。土屋さんと佐藤さんが人前で手話を披露するのは初めてという。小島さんが台本の文章を読み上げる中、土屋さんと佐藤さんが交代で手話を披露し、アナウンスと手話のタイミングを合わせていく。

 当日は午後3時半ごろから、小中学生向けのワークショップで披露する。佐藤さんは「遠くの人にも見えるように表情も大事にしながら手話に臨みたい」と意気込む。土屋さんは「難しい専門用語も調べて練習してきた。成果を見てほしい」と話し、小島さんは「映像と手話に合わせてアナウンスできているかどうかを聞きに来て」と多くの来場を呼び掛けている。

提供 - 函館新聞社

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