若山君(西高3年)書道日本一 祖父母とのコンブ漁に思いはせ

update 2016/8/23 09:48


 函館西高校3年の若山翔(かける)君(17)が、7〜8月に広島市で開かれた第40回全国高校総合文化祭の書道部門で、最高賞の文部科学大臣賞に輝いた。全国から集まった316人の頂点に立ち、「レベルの高い作品ばかりが集まっていたので、信じられない」と喜びを語っている。

 若山君の題材は「揺籠(ゆりかご)の波」。恵山に住む祖父母とコンブ漁の磯船に乗った体験からイメージを膨らませ、漢字とかなが交じった自作の近代詩文書を出品した。立体感を出すため、目立たせたい字はかすれを重視。「荒く力んだ線じゃなく、柔らかいかすれを意識し、リラックスして大らかにひいた」。横90センチ×縦180センチの紙に、朝焼けの中を船団が進む情景や祖父母への感謝の思いを込めた。

 道南支部大会、全道大会を通過し、昨年11月に総文祭に出す作品の練習を始めた。廊下の一部を3畳ほど区切り、そこで放課後に3時間、休日も7〜8時間没頭。書道部顧問の佐々木裕美教諭は「繊細な子だが、努力が必ず報われることを体現してくれた。よく頑張った」とたたえ、若山君は「書けば書くほどナーバスになってしまうが、正解がなく、自分の表現で書ける書の魅力も感じられる」ときっぱり。

 22日には渡島教育局の辻俊行局長に日本一を報告し、「道南の書道部の先生に指導を受けるなどお世話になった。これからも書道を続けたい」と誓った。

 書道部門に同じく道南から出場した市立函館高校の佐々木あいりさん(3年)は、「菅公賞・特別賞」に入賞した。

提供 - 函館新聞社

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