4−6月のホテル宿泊客数2割増 開業効果顕著に
update 2016/8/19 09:42
函館財務事務所(大久保誠所長)が18日発表した宿泊施設の動向調査によると、函館・近郊のホテルの4〜6月の宿泊客数は前年同期と比べて19・7%増加した。秋以降の予約も好調で、年内は北海道新幹線の開業効果が続く見通しだ。一方、需要が高まる中で8割以上の施設が人材確保を経営課題として挙げており、人手不足が深刻化している現状が改めて浮き彫りとなっている。
4〜6月の宿泊者数は、9割以上の施設で増加。前年同期比で40%以上伸びたホテルもあり、東北、関東からの入込客が全体を押し上げた。
7〜9月の宿泊者数は、予約ベースで12・2%増加。観光シーズンのピークとなる夏場は例年高い稼働率となるため、大幅な上積みはないものの、半数以上のホテルでは週末が満室となるため、受け付けを断る状態が続いているという。10月以降の予約数は、前年同期比7・9%増となっている。
需要の急増で、函館市内では宿泊施設の不足を指摘する声もあるが、回答した関係者は「部屋数を増やすと食事や他のサービスへの対応が必要となり、すぐに設備投資できない」と指摘する。背景にあるのが人手不足感で、地元で求人を出しても応募が来ないため、東京で社員を採用して函館に配属させる企業もあるといい、各施設で対応に苦慮している様子がうかがえる。
また、新幹線開業後は国内客の増加で海外客の割合は減少しているが、約4割の施設では外国語を話せるスタッフの採用を検討しており、受け入れ態勢を強化する予定だ。同事務所の林和幸財務課長は「道内、本州、海外とバランスよく集客し、それぞれの満足度を高めてリピーターを獲得することが、新幹線開業効果の持続に向けて必要だ」と話している。
調査は、函館・近郊の宿泊施設20カ所(合計収容人員1万100人)を対象として、7月25〜29日の期間にヒアリングなどで回答を得た。
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