ウルフ 早すぎる別れ 千代の富士死去

update 2016/8/1 09:33


 福島町出身で大相撲の元横綱千代の富士の九重親方が7月31日、死去した。61歳だった。親方の出身地・福島町は突然の訃報に大きなショックに包まれた。鳴海清春町長は「親方は町、町民にとっての誇り。早すぎた訃報にただただ驚いている。北の湖、大鵬に続き、千代の富士という北海道出身の昭和の大横綱が相次いで亡くなり、残念でならない。九重親方にはこれまで町に多大な貢献をいただいたので、町として恩返しになるようなことを考えたい」と話している。町内の横綱記念館では1日午前9時の開館から献花台を設置し、記帳を受け付ける。

「ウルフ」早すぎる別れ 悲しみ古里を包む

 九重親方死去の一報は7月31日午後6時すぎ、古里・福島に伝わり、大きな衝撃となって町内に広がった。現役時代は昭和の大横綱として町民に希望を与え、引退後に部屋を引き継いでからも夏合宿などで福島との縁は続いてきた。子ども時代から親方と交流のある友人らは、思い出をかみしめながら、早すぎる別れを惜しんだ。

 町内在住の実姉、小笠原佐登子さんは突然届いた悲報に言葉を失った。「7月上旬に電話で話したばかり。そのときは他愛のない話ばかりで、笑いもでるなど元気そうだったのに」と肩を落とした。「弟は努力の子だった。ここまで来るのにいろいろあったと思うが、本当によく頑張った。誇りに思う」と話している。

 役場を通じて連絡を受けた鳴海清春福島町長は親方の小中同級生。「子どもの頃、夏は海で泳ぎ、冬はスキーで一緒に遊んだ。テレビなどでみると、性格は厳しく、ストイックにみえるが、われわれからみると、まじめでおとなしく、それでいて茶目っ気のある人だった」としのぶ。「中学時代はバスケットボールの選手だったが、中学3年生のときの相撲大会で、団体戦の大将を務めた。決勝戦で体の大きな相手に土俵際まで押し込まれたのに、片足一本でうっちゃった相撲は、いまだ鮮明に覚えている」と思い出を語り、「今年の夏合宿にぜひ来てほしかった」と沈痛な面持ち。

 九重部屋夏合宿の受け入れを担当している町職員の石岡大志さん(52)は「心にぽっかり穴が空いた気持ちがしている。国民栄誉賞の親方と仕事を通じて交流できたことは光栄。これまで町のイベントにいろいろと協力していただき、感謝の気持ちでいっぱい」と話し、親方の死を悼んだ。

提供 - 函館新聞社

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