「感謝の気持ちを力にメダルを」辻選手が壮行会で決意
update 2016/7/19 09:49
リオデジャネイロ・パラリンピック陸上女子400メートルに出場する七飯町出身で日体大4年の辻沙絵選手(函館本通中出、21)が18日、函館市内で行われた壮行会などに出席した。小、中学生時代の恩師らから激励を受けた辻選手は「皆さんの声援を力にする」と決意を新たにした。
辻選手は函館鍛神小、本通中時代にハンドボールをしていたことで、この日は函館ハンドボール協会(立蔵義春会長)が主催するトークショーで一緒に出演するスペイン代表のファン・アンドレウ・カンダウ選手とともに行動。午後3時20分ごろ、函館のコミュニティFM局・FMいるかの生放送に出演し、同4時半から函館山山頂展望台ホールクレモナでトークショーに臨んだ。
トークショーは市内のハンドボール部・クラブに所属する小中高生ら約170人が参加。辻選手は小中学生時代、ほかの選手と同じ練習メニューを与えられ、胸でボールを受けるパスキャッチを猛練習し、フェイントやシュートが打てる楽しさ体感し、ハンドボールが好きになったと紹介。「練習で辛いことや、けがでコートを離れたことはあったが、ハンドが好きな気持ちが強く、続けられた」と話した。
自分を障害者とは思ったことがなかったのに、大学からパラリンピック出場を勧められたことはショックだったといい、「目標の教員になるために、いろんな経験があったほうがいいと思った」と競技転向の胸中を話した。
カンダウ選手は初来日で、17日に函館の高校生の練習を見たという。「函館の高校生は思ったよりレベルが高く、教えたことの吸収が早い」と感心していた。
辻選手はこの後、同協会主催で同山頂ティーラウンジレガードで開かれた壮行会に出席。同級生や恩師らから激励を受け、あいさつで「函館に居なかったのに、ハンドボールをやめたのに、私を歓迎してくれるのがうれしい」と涙を見せ、健闘を誓った。同席したカンダウ選手は辻選手について「アスリートとしてカリスマ性を感じる。ハンドボールのヒロインが陸上選手として頑張る様子を、インターネットを通じて応援したい。幸運を祈る」とコメントした。
辻選手はさらに、ホテル法華クラブ函館で開かれた日体大北海道同窓会道南支部函館地区(古沢和弘地区長)が総会・懇親会に続いて開いた辻選手大激励会にも出席。古沢地区長から「地球の裏側から応援します」と元気づけられ、先輩と校歌を歌い「フレー、フレー、沙絵」とエールを受けた。
約5時間にわたり市内を回った辻選手は「たくさんの人の温かさに触れ、この感謝の気持ちを、リオではメダル獲得という形にしたい」と力を込めた。
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