市民会館新築なら 市の負担84億円、23年完成【函館】
update 2016/7/6 09:54
函館市教育委員会は5日、函館市民会館の耐震改修を実施した場合と、建て替えを実施した場合の検討結果を公表した。新築の場合、完成は2023年7月とし、仮定した総事業費約85億円のうち、84億円が市の実質負担になると算定。市教委は「財政的負担が大きい」として新築に改めて否定的な見解を示した。
新築の場合、亀田地区の統合施設のスケジュールを参考に、本年度から19年度までに、基本構想、基本計画、基本設計、実施設計を順次、策定。20年度に現施設解体、新築工事は21、22年度と想定し、開館は23年7月とした。閉館期間は3年3カ月間で、現施設を改修した場合の2年5カ月間よりも長い。
総事業費は、現施設の解体に5億円、新施設は他都市の類似施設の平均値に想定延べ床面積(8300平方メートル)を乗じた80億円とした。財源は充当率75%の地方債63億円、市の一般財源21億円の計84億円が市の持ち出し分となる。仮に合併特例債32億円分を充てたとしても、市の負担額は62億円とした。実際には19年度末に合併特例債発行期限が迫っているため、特例債の活用と工期などのスケジュールも整合しない。
一方、改修工事の場合は9月の第3回定例市議会で実施設計費の補正予算計上する考えで、17年9月の議会で改修工事費を計上。建設事業者決定前の同年11月から施設備品の搬出などに着手、工事による閉館期間は同月から20年3月まで、開館を同4月とした。実施設計費や機能改修の上乗せ分を含め、総事業費は約35億円、合併特例債を充当し、市の実質の負担額は11億4000万円とした。
ただ、改修後の20年間には、28年ごろに屋上防水改修、26年以降に蓄電池や火災報知設備改修などで、計1億2300万円かかるほか、舞台装置などでも15〜20年程度後に改修が必要とした。
市教委生涯学習部生涯学習文化課は「耐震補強を行うことで現施設を使い続けることができる。仮に新築した場合は、完成まで7年を要し、市の財政的負担も大きい」としている。
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