南茅部で震度6弱 道南で過去最大、建物被害やけが人も
update 2016/6/17 09:46
16日午後2時21分ごろ、内浦湾を震源とする地震が発生し、函館市南茅部地区の川汲町で震度6弱など、道南全域を含む北海道から東北の広い範囲で揺れを観測した。気象庁によると、地震の規模を示すマグニチュード(M)は5・3と推定される。この地震による津波はなく、駒ケ岳などの火山活動に関連はなかった。函館地方気象台によると、道南では1968年5月に発生した十勝沖地震(函館市で震度5)を上回る過去最大の震度で、地震の影響で同地区で建物被害やけが人が出たほか、交通機関に乱れが出た。
気象庁の速報によると、震源地(北緯42・0度、東経141・0度)の深さは約11キロ。この日は同じ震源地で、午前9時5分ごろと8分後の同13分ごろに函館市川汲町で震度1〜2の地震(M=2・3〜2・5)を観測する地震が2回あった。最大震度6弱を観測した地震以降、午後11時までの間に同所で震度3が1回、震度2が2回、震度1が5回の余震とみられる地震が発生している。
同庁地震津波監視課によると、今回の地震は北東から南西方向にかけて傾いている断層面で浅い側の岩盤がのし上がる「逆断層型」といわれるもので、2011年3月の東日本大震災と同じだった。今回の震源地周辺では1923年以降、M5以上の地震はないが、78〜79年にM4〜5規模の地震が続発したことで今回も同程度の地震が発生する恐れがあり、1週間程度は様子を見る必要があるとしている。この地震で同庁は地震検知から9・3秒後に緊急地震速報を発表した。
●土砂災害に注意
震度6弱の地震は、同庁の震度階級(10階級)のうち3番目に大きく、地割れや地すべりが発生する恐れがある。同気象台によると、17日にかけて北海道付近は低気圧が近づく影響で大気の状態が不安定になるため、函館市では16日午後6時からの24時間雨量は70ミリと予想している。少ない雨でも土砂災害の起こる恐れがあり、注意を呼び掛けている。
◇
午後2時21分ごろに発生した地震で、道南の震度は次の通り。
▽震度6弱=函館市川汲町▽震度5弱=同市泊町▽震度4=同市尾札部町、同市新浜町、同市日ノ浜町、七飯町本町、鹿部町宮浜▽震度3=函館市美原、同市大森町、七飯町桜町、北斗市、森町砂原、厚沢部町木間内▽震度2=森町御幸町、同町上台町、厚沢部町新町、上ノ国町小砂子、同町大留、乙部町緑町、今金町今金、せたな町北桧山区徳島、八雲町熊石雲石町、長万部町平里、福島町福島、知内町重内、木古内町木古内▽震度1=上ノ国町湯ノ岱、せたな町北桧山区豊岡、同町瀬棚区、江差町、八雲町上の湯、同町住初町、知内町小谷石、松前町
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