ひろめ舟祭りの漁船 目黒雅叙園で再現へ
update 2016/6/15 09:43
函館市南茅部地区最大のイベント「南かやべひろめ舟祭り」の漁火パレードで登場する装飾した漁船が東京都目黒区の「目黒雅叙園」で7月に始まるイベント「和のあかり×百段階段」で再現されることが決まった。豪華絢爛(けんらん)な装飾が施された「百段階段」を会場に日本の祭りや伝統工芸品、芸能などを見せる催事で、無数のちょうちんや大漁旗に彩られた漁船の巨大オブジェを展示し、漁師まち独自の文化を発信する。
目黒雅叙園は1928年創業の総合結婚式場。「百段階段」は35年に建設された都の指定有形文化財。99段のケヤキ板の階段と昭和初期を代表する日本画家の手による絵画や豪華な装飾が施された7つの部屋がある。
「和のあかり」は昨年7、8月に初開催し、38日間で約6万人が来場した。日本の祭りや美術、工芸品伝統芸能と「あかり」の組み合わせで、百段階段の空間そのものを楽しむイベント。例えば、葛飾北斎の浮世絵や江戸切子を照らしたり、「青森ねぶた祭」など各地の明かりを伴う祭りも登場した。今年は展示物を増やし、7月1日から8月28日までの計59日間開催する。
舟祭りの漁船は、昨年の開催終了後、新たな展示素材を探していた同社の担当者が函館市のホームページで見つけ、関係者への働きかけで、展示が決まった。マーケティング部宣伝・広報グループマネジャー芳賀尚賢さん(37)は「全国にたくさんの祭りがある中で、異彩を放つビジュアルの強さにひかれた」と話す。
会場には高さ4・5メートル、幅4メートルほどの大きさで、漁船の一部を再現。マストから船の先端に飾るちょうちんや大漁旗は本物≠借り受ける。芳賀さんは今月10日に南茅部地区に足を運び、漁船の準備の様子を視察。「予想以上の迫力で準備の様子にも面白さがあった。地域の知る人ぞ知るお祭りだが、観光客を呼び込めるだけの魅力がある。この存在を多くの人に知ってもらいたい」と話す。
市観光部観光推進課は「これまでとは違う視点で地域の資源を見いだしてくれた。南茅部には縄文文化や日本一の生産量を誇るコンブといった素材がある。函館に新たな興味を持つ人が増えることを期待している」としている。
南かやべひろめ舟祭り 毎年6月の第2土曜日に開催する南茅部地区最大のイベント。1992年から実施する「漁火パレード」は毎年各地区1隻計6隻が参加。全長15メートルほどの中型刺し網漁船に500個を超えるちょうちんや大漁旗を飾り付ける。祭りのフィナーレを飾る夜の部のパレードでは明かりを一斉にともし、海面をまばゆく照らす。装飾は漁業者らの手作業で行われ、「年々豪華になっている」(南茅部支所)という毎年異なるデザインも見どころ
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