函館博物館開館50周年

update 2016/6/12 09:38


 函館公園(青柳町)内の市立函館博物館(斉藤総一館長)が開館し、今年で50年を迎えた。考古学や自然科学など、函館の歴史を紐解くのに貴重な幅広い分野の資料を収蔵し、国内博物館の発展に大きく寄与して半世紀の月日が流れた。14日からは節目を記念した企画展「函博コレクション」を開催し、未来に残したい珠玉の逸品を一堂に紹介する。

 同館のルーツは1879(明治12)年、開拓使函館仮博物場(旧函館博物館1号)が函館公園内で開場したことにさかのぼる。当時、同園内には北方民族の生活用具などを陳列した先住民族館や、市立函館図書館内に地学室などが存在していた。その中で函館出身の篤志家・岡田健蔵は、分散する施設の収蔵品を集めた総合的施設として、博物館の必要性を説いていた。

 残念ながら岡田の存命中に博物館は実現しなかったが、その遺志を継いだ財界人や研究者を主体に活動は継続。建築計画が発表された後も、財政難から思い通りに工事が進まないなどの困難を乗り越え、長い歳月を経て1966年、念願の総合博物館の開館に至った。

 数多くの関係者、市民の好意により、昭和期からまとまったコレクションが所蔵されるようになった。自然科学から人文科学まで、広い分野を対象とする国内でも類を見ない性格を持った博物館として、50年間愛されてきた。

 企画展は70万点にも及ぶ所蔵品の中から、コレクション(資料群)となっている資料を展示。館内全体が展示会場で、“Deepな函館”をテーマに、大きく@自然A美術・民族B歴史・考古―に分類している。

 自然に関しては、函館の植物研究発展に寄与した菅原繁蔵が樺太や函館山などで採集した植物標本が中心となる。愛用した調査道具類などの展示とともに、菅原の足跡をたどる。

 美術・民族では、博物館建設運動にも深く関わった堤清治郎が収集した刀のつばのコレクションや、アイヌ民族の衣服や装飾品など、色合いや文様の美しさを体感できる。

 歴史・考古では箱館戦争に関連し、鉄砲を時代順に並べたり、新撰組隊士の中島登がともに戦った仲間を描いた「戦友姿絵」の全場面を紹介している。また同館で最近見つかった、サイベ沢遺跡(桔梗町)の発掘調査風景を収めた映像フィルムを公開するスペースも設けるなど、存分に魅力を味わうことができる。
 同館学芸員の保科智治さんは「函館がルーツとなっている貴重な資料が多く、博物館の歴史の重みを感じながらディープな函館を見てほしい」を話している。

 8月28日までで、午前9時〜午後4時半。入館料は一般200円、高校生・大学生100円、小学生・中学生50円。7月2、16両日の午後1時半からは企画展示解説セミナーも行う。
 問い合わせは同館(TEL0138・23・5480)へ。

提供 - 函館新聞社

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