いのちのホットライン 15年度の相談123件

update 2016/5/11 10:30


 函館市が自殺予防を目的に開設している「函館いのちのホットライン」に、2015年度寄せられた延べ相談件数(相談者数)は、前年度比39件減の123件だった。市保健福祉部は「一人で悩みを抱え込まず、相談してほしい」とする。

 11年6月に設置。毎週月曜・金曜日の週2回、午後5時半から同8時半まで開設しており、相談支援業務の経験者が悩みやストレスなどを抱えている市民の相談に、匿名で対応している。開設日数は103日で、1日当たり1・2人から相談が寄せられた。

 同部によると、相談の主な内容は、一人でいるのが寂しいなどして「話を聞いてほしい」というものが全体の3割を占めたという。次いで健康問題に関する相談、家族や人間関係に対しての悩みなどで、最も深刻な希死念慮(自殺願望)は6件と、前年度から5件減少した。

 相談者の年代は、40歳代が55人と最多で、60歳代の21人と続く。20歳代は4人、10歳代0人と例年件数は少ないが、全国的に若年層の自殺は後を絶たない。市は18〜39歳対象の相談支援、居場所づくりとして、北海道国際交流センターに事業委託し、同センター内(元町14)に昨年8月、フリースペース「ヨリドコロ」を開設。引きこもりがちな人の外出の契機にしたり日常生活の中で安らげる場で、要因が多岐にわたる自殺の予防につなげる狙いがある。

 また、道は地域ぐるみで自殺未遂者を支援する体制づくりを検討しており、今後道南エリアをモデル地区とした取り組みを進める予定という。同部は「ホットラインをはじめとした自殺予防対策は、関係機関との情報共有や市の部局全体で取り組まなければならない」としている。

 道警函館方面本部によると、昨年1年間の市内の自殺者数は前年比12人減の64人だった。ホットラインはTEL0138・32・1548。

提供 - 函館新聞社

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