旧相馬邸、屋根瓦の掛け替え完了 来館者らが寄付し工事サポート
update 2016/5/8 10:36
函館市指定の伝統的建造物「旧相馬邸」(元町33、東出伸司館長)で2年前から行われていた屋根瓦の掛け替え工事が完了した。行政の補助を得るとともに、来館者などに広く寄付を募った結果、350人以上の協力で修復がかない、今月2日に寄付者への謝意を伝える立て看板を敷地内に設置した。東出館長(76)は「たくさんの人から共感を得られた」と喜んでいる。
同邸は明治時代に道内屈指の豪商として知られた相馬哲平の私邸。東出さんが社長を務めるエステート企画が空き家になっていた建物を改修し、2010年6月から一般公開を行っている。
瓦屋根の掛け替えは、公開に向けて洋間を修繕した際、壁の色が変化していることに気づいて調べたところ、瓦がずれて隙間が空き、軒下の腐食につながっていたことが判明。専門家の指摘を得ながら2014年から修繕を始めた。
工事には約4000万円が必要で、行政からの補助だけでは足りないため、14年11月ごろから1枚3000円で来館者や協力者に瓦を購入してもらい、その瓦を寄贈してもらう形で協力を求めた。
昨年10月に工事が完了。約1年間の活動の結果、一般の瓦398枚と鬼瓦10枚を市民や観光客、保存会、団体からの寄付で掛け替えた。寄付は市内や全国各地、遠くは英国からもあり、瓦の裏には購入者の名前や出身地などを記入してもらうとともに、1枚1枚にナンバーを付け、屋根のどの位置に掛けたかを看板で紹介している。
「予想外の成功だった。これからの文化財を守っていく一つの指針になるのでは」と東出館長。今年からは同邸の動きを紹介する「旧相馬邸だより」を発行し、寄付者らに配布している。同館長は「どこに瓦を掛けたかを見に来る方もいる。寄付いただいた方に連帯感や愛着をもってもらい、みんなで建物を守りたい」と話している。
その他の新着ニュース
- 2017年の初日の出はどこで迎える?...2016/12/31
- 年末年始に懐かしい遊びを 百人一首やかるたなど並ぶ...2016/12/31
- 道南の重大ニュース2016・下半期...2016/12/31
- 桧山この1年...2016/12/31
- (ニュースファイルこの1年)文化...2016/12/31
- (ニュースファイルこの1年)経済...2016/12/30
- 道南スポーツこの1年(上)...2016/12/30
- 市電に繭玉、縁起物/31日から特別ダイヤ...2016/12/29
- 北斗自慢のグルメ集合 29日まで新駅でイベント...2016/12/29
- パフィー紅白初出場、巨大コロッケCMで縁の厚沢部から声援...2016/12/28
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。