田辺三重松展始まる
update 2016/4/29 10:26
函館出身の画家田辺三重松(1897−1971)が残したスケッチなど15点を展示販売する「田辺三重松素描展」が28日、棒二森屋本館7階特選サロンで始まった。展示作品のうち、従軍画家時代に描いたと思われるスケッチが一般に公開されるのは初めてだという。5月3日まで。
田辺は函館で生まれ、函館商業学校(現函館商業高)を卒業。家業の呉服店を継ぎながら絵の制作も続け、1921年の赤光社の設立に参加した。太平洋戦争中の43年には軍の報道部員として北千島に赴いた経験がある。
スケッチはこの従軍画家時代のものとみられる。軍服姿でほほ笑む男性や「従軍画家能勢氏」とメモ書きされ、田辺と同時期に活躍し、従軍画家の経験もある北海道を代表する画家の能勢眞美と思われる人物が鉛筆を走らせる姿が描かれている。
作品を所有するギャラリーアンアート(千葉県)の松本琢巳代表は「スケッチは『画家の魂』といわれるが、油彩画ではなくスケッチだけで才能にあふれた画家だったことが分かる。田辺三重松という人物を考える一助にもなれば」と話す。同社が田辺のスケッチ作品を手に入れてから、一般に公開するのは初めてだという。
展示作品は単色のスケッチ(20・9センチ×29・7センチ)が12万9600円、色が塗られたスケッチが19万4400円で販売している。また、会場では「有名作家版画展」を併催。篠田桃紅さんや東郷青児ら有名作家の作品が展示販売されている。
午前10時〜午後7時(最終日は同4時)。
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