福原さん「喜寿」祝い同級生がサプライズ

update 2016/4/24 10:30


 函館中部高校定時制に73歳で入学した北斗市の福原ケイさんが22日、77歳の誕生日を迎えた。「喜寿」をお祝いしようと企画したのは、孫ほど年の離れた同級生。福原さんは思いがけないサプライズに「幸せ者だ」と満面の笑みを浮かべた。

 「飲み物配っておくよ」「花束は誰が渡すんだっけ?」。この日の授業が全て終わった午後8時ごろ、生徒たちは福原さんを驚かせようと、内緒で準備を進めた。別室で待機していた福原さんを教室で出迎えたのは、生徒や教員約25人からの温かい拍手と「ハッピーバースデートゥーユー」の歌のプレゼント。福原さんは生徒がお金を出し合って買った花束やケーキを目にし、「どうもありがとう」と何度も頭を下げた。

 福原さんは旧大野町の農家に生まれた。高校進学を目指し勉強していたが、家業の人手が足りず断念。それでも、「学びたい」という思いはずっと胸に秘めてきた。

 そして3年前、半世紀以上の時を経て夢をかなえた。現在は朝4時に起きて農作業に精を出し、夕方には自宅から10数キロ離れた学校まで自ら軽トラックを運転して登校。採れたニラや豆などを生徒や教職員におすそ分けすることもあるという。

 そんな福原さんを生徒たちも慕っている。小林力君(18)は「板書はどうしても遅くなるが、授業の後に他の人からノートを借りて写していた。勉強熱心で尊敬する」。担任の古沢和弘教諭(59)は「欠席はほとんどなく、一番の努力家。生徒の刺激になっている」とたたえる。

 今年4年生になり、高校生活は残り1年。福原さんは「勉強が大変で心が折れそうになったこともあるが、最後まで頑張りたい。1センチでも前に進みたい」と意欲を燃やしている。

提供 - 函館新聞社

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