遺愛女子高、英語のもてなし10年目
update 2016/4/22 10:23
ホーランド・アメリカ・ライン(米国、HAL)の豪華客船「フォーレンダム」(6万1214トン)が21日、函館に寄港した。遺愛女子高校生徒による外国客船寄港時の案内活動が10年目となった。JR函館駅前でシャトルバスを降り立った乗客を笑顔で出迎えたほか、函館朝市ひろばでは、文化体験コーナーを開設した。
同校の活動は同じHAL社の「スタテンダム」(当時)が初寄港した2007年5月に始まった。外国人と英語で直接コミュニケーションを図る貴重な機会として、年数回の活動に英語科の生徒を中心に参加。昨年5月の「フォーレンダム」寄港時には、サクラが舞う校内を特別に案内するなど、長年の取り組みが高く評価され、昨年度の観光庁長官表彰受賞に結び付いた。3年生の佐々木綾香さん(17)は1年時と比較して自身の成長を実感しているとし、「遺愛のいい伝統になっています」と話す。
駅前では同科の2、3年生約65人が活動。乗客の案内だけではなく、手描きのイラスト入りの地図や折り鶴などを手渡して喜ばれていた。朝市ひろばでは書道部、茶道部、イラスト部の生徒が体験コーナーを開設し、乗客や乗員をもてなした。
2年生の山本朱里(あかり)さん(16)は「分からないところもあるけれど、海外の人とジェスチャーを交えながらおしゃべりできるのが楽しい」とし、田辺沙莉咲(さりさ)さん(16)は「自分から話しかけて、案内できたときに達成感があります」と話していた。
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同船寄港は通算6回目。乗客約1300人と乗員約600人を乗せ、午前8時すぎに港町埠頭に接岸し、夕方、釧路に向かった。カナダ・バンクーバー在住の公務員山口哲也さん(48)は家族3人で自宅に戻るために横浜から乗船。「戦時中、カナダでも日本人が苦労した歴史がある。移民を乗せて横浜から太平洋を渡った『氷川丸』を思う旅にしたい」と話していた。
船内での歓迎セレモニーでは、函館港湾振興会の兵頭法史会長が「4年連続のこの時期の寄港で、フォーレンダムは函館に春の訪れを感じさせてくれている」と歓迎。バイエンス船長は「私にとっても4回目の寄港で、高校生のもてなしにも感謝している。今後も何度も函館を訪れたいと願っている」と述べた。
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