自立相談支援事業1年 相談続々

update 2016/4/14 10:16


 生活保護受給に至る前の生活困窮者を支援する、函館市の「自立相談支援事業」が昨年4月に始まり、1年を迎えた。専用の相談窓口を設けて生活状況や課題を分析し、就労支援などにつなげるほか、離職などで住居を確保できない人に家賃相当額を支給する「住居確保給付金制度」を運用。2月末までに延べ773件の相談があり、市は生活困窮者の自立支援に向けた実績を積み上げている。

 昨年4月施行の「生活困窮者自立支援制度」に基づいて市役所本庁舎内に窓口を設置し、支援員4人を配置している。市直営で窓口を運営することで生活保護や就労支援など、関係部局と連携して効率的に対応を図っている。

 相談した実人員は248人で、うち来庁が138人、電話相談が106人など。主な内容は金銭面で困っているというもので、借金問題や家賃が払えないといったケースが多かった。中には「生活は苦しいが、どんなことで困っているのかはっきり分かっていない人もいる」(市生活支援第1課)という。支援員は課題を正確に把握、困窮に至った経緯や生活状況などを聞き、どのような支援が必要なのか相談者とともに考える。

 内容に応じて個別の支援プランを作成する場合もあり、2月末までに該当するケースが26件あった。また、同事業は生活保護を受ける必要のある困窮者を把握し、申請を促す狙いもあり、相談者のうち48件を受給につなげた。

 住居確保給付金は、離職後2年以内で条件に合致する場合、単身世帯に月額最大3万円、3〜5人世帯3万9000円を最長で9カ月間支給する。これまで8件、26カ月分を支給するととともに、住宅や就労確保に向けた支援を同時に行っている。

 市は本年度、生活困窮世帯の中学生を対象とした学習支援に着手するほか、出前講座で生活困窮者自立支援制度を取り上げ、相談窓口機能の啓発などに努める。同課の小松浩課長は「人によって困窮の原因は多種多様。日々の生活に苦しんでいる人にはぜひ相談窓口を活用してもらいたい」と話している。

 問い合わせは窓口のホットライン(TEL0138・21・3089)へ。

提供 - 函館新聞社

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