新幹線効果、沸く道南 開業1週間
update 2016/4/3 10:41
3月26日の北海道新幹線開業から1週間、2度目の週末となった2日、新函館北斗駅や函館市の観光地では再び大勢の観光客の姿が見られた。市内の観光、商業施設の関係者は開業効果に一定程度の手応えをつかみながら、次のピークとされる大型連休の需要増にさらなる期待を寄せている。
この日、同駅着の新幹線はいずれも満席とはならなかったが、列車が到着するたびにコンコースは大きな荷物を持った旅行客で混雑した。新幹線が見学できる自由通路では、写真を撮る多くの地元市民の姿があった。
同駅併設の北斗市観光交流センター内で弁当カフェ「41ガーデン」を経営する吉田屋(八戸市)の吉田広城社長は「売上は想定の3倍となった開業日以降も落ちこむことなく、新幹線効果を強く実感している。気を緩めず、利用者の声を聞きながらリピーターを獲得したい」と話す。
JR函館駅近くの函館朝市(若松町)も多くの観光客でにぎわった。えきに市場内にある名物の活イカ釣りコーナーに大勢の家族連れらが詰め掛け、午前6時半の開始から午後1時半の終了まで常に30分待ちの状況が続いた。担当者は「開業後は普段より1・5〜2倍ほどお客さんが増えた。東北などからの新幹線客も多い」と話す。
一方で、新幹線の駅から離れた観光施設の関係者は想定より少ない入り込みに複雑な心境をのぞかせる。
五稜郭タワー(五稜郭町)の開業後6日間の展望台搭乗者数は、前年同期比12・9%増の1万3205人だが、新幹線開業前の伸び率に比べほぼ横ばいだった。大場泰郎営業部長は「もう少し増えると踏んでいた。函館駅や新函館北斗駅周辺のイベントに人が多く集まった影響では」とみており「桜が咲く4月下旬からが本番。東北や北関東からの入り込みに期待する」と話す。
函館山ロープウェイ(元町)の26〜31日の利用者数は、同9%増の4万3643人。ただ、開業後3日間を見ると同23%の増加となった。営業企画室の水口貴博室長は「ゴールデンウイークが一つのヤマ場。メーンの道内客に加え、道外の新幹線利用客の増加が見込める」とみている。
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