ガールズケイリン選手育成プロジェクト結団式
update 2016/4/2 10:28
函館市と市営函館競輪の包括委託事業者・日本トーター、日本競輪選手会北海道支部(俵信之支部長)がガールズケイリン選手の育成に向けた「ホワイトガールズプロジェクト」が1日に函館競輪場で結団式を行い、本格始動した。函館出身の伊藤のぞみさん(28)と三尾那央子さん(28)、紋別市出身の寺井えりかさん(23)の3人が第1期訓練生となり、今秋実施の日本競輪学校(静岡県)入学試験への合格を目指して、トレーニングを開始した。
函館競輪場では2014年からガールズケイリンを50年ぶりに復活させて人気を集めている。約80人の登録選手のうち、道内出身者はいるものの北海道を登録地とする選手はいないため、初の登録選手誕生と自転車競技の普及・発展を目的にプロジェクトを立ち上げた。
伊藤さんは、市内の眼科で看護師として勤務。「体を動かすことが大好き」といい、卓球や陸上、テニス、社会人になってからも函館ハーフマラソンを毎年走るなど、スポーツ歴は豊富だ。
「これまでは観戦する側だったが、ガールズで興味を持った。初心者なので少しずつ慣れて頑張りたい」と抱負。周囲の後押しを得て看護師の仕事も続けながら、朝夕の練習に精力を傾けていく。
三尾さんは、道教大函館卒。「1年ほど前から競輪場に遊びに行く機会が増え、話を聞くうちにやってみたいと思った。20代最後の挑戦です」と力を込める。
身長165センチの長身で、これまでロードバイクの経験を持っている。「自転車には乗っていたが趣味の範囲は出ておらず、持久力や筋力に課題があると感じている。訓練を通して持久力をつけていきたい」と意気込んでいる。
寺井さんは東海大卒。3歳からスキーを始め、大学まで選手として活動してきたが、アルペンスキーの恩師から「競輪に向いている足」と言われたことが契機となり、「やるなら日本一を目指したい」と応募した。
昨年からトレーニングを始め、競輪学校も受験した。「2回目は絶対に落ちることはできない。昨年以上に練習し『絶対プロになってやる』という気持ち」と、思いは人一倍強い。
結団式の後、メカニック担当者とともに自転車のサドルのサイズや、ペダルに合わせて靴に付いている金具を調節するなどし、午後からはバンクを使って早速練習に励んだ。3人は俵支部長やOBの大森芳明さんらの指導を受けながら、強風の中を疾走。伊藤さん、三尾さんは昨年11月以来ぶりのバンク走行といい、「トレーニングはしていたが、やっぱりバンク上は難しい。これからどんどん練習メニューをこなしたい」と意欲。寺井さんも「応援してくれる人たちのためにも課題を修正して絶対受かりたい」と前を向いた。
練生は俵支部長ら現役選手、OBの指導を受けてトレーニングに打ち込み、10月以降の入試に備える。合格すれば17年5月入校の114回生(女子7期)として、約1年間競輪選手に必要な技術を身につける。選手資格を取得後、18年夏にもデビューする。
俵支部長によると、ガールズ選手が登録のない都道府県は北海道など2つしかないといい、函館をホームとする選手を生み出すことが至上命題。俵支部長は「自場開催がない時にできるだけ多くの時間をつくって練習していきたい」とし、「競輪場の入場者が少ないので選手たちの知人らも含め、足を運ぶことにもつながるのでは」と、ファン層の拡大に期待を寄せている。
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