燃油価格低下で漁業者らは歓迎

update 2015/9/9 10:23


 世界的な原油価格の下落を受け、燃油高に悩んでいた道南の漁業者や農家からは値下がりを歓迎する声が上がっている。特に夜間に集魚灯を使い、経費の約3割を燃油代が占めるスルメイカ漁にとっては朗報で「今後の漁模様も上向いてくれれば」と期待する。

 函館市漁協(橘忠克組合長)によると、1日からのA重油価格は前年同期比33・2円安い1g65・2円(税別)。高騰のピークだった昨年7月1日(101・9円)からは4割近くも下がった。65円台は過去5年で最安値の水準というものの、現在は津軽海峡内での漁獲量が振るわず「本来の漁模様なら採算が合うが、イカが捕れていないので厳しい状況に変わりはない」と同漁協。

 その上で、同漁協は「秋イカ(道東からの南下群)が来遊してくれば、漁獲は上向くだろう。燃油代ももう1回下がると予想しており、9〜11月が勝負」とする。

 農業では、道南で盛んな施設園芸にメリットが大きい。渡島総合振興局は「花卉(かき)やニラ、イチゴなどの作物に恩恵がある」(農務課)という。

 道内一のカーネーション産地、七飯町藤城の農業藤田幸成さん(43)は、ハウス40棟のうち、来年6月のブライダルシーズンに出荷するため10棟を灯油を使って加温。「燃油代が下がってひと安心。下がっても被覆を増やしたり、まきストーブを使ったりして燃油を抑える努力を続けたい」と話す。コスト低下により、作付面積拡大や設備投資など生産者の栽培意欲が湧くと考えている。

 函館市がまとめた8月の石油製品小売価格調査によると、レギュラーガソリン1gの平均価格は前月比4・94円安い138・75円となり、2カ月連続で値下がり。中国経済減速で原油需要が思うように伸びないと予想されており、原油価格が世界的な低落傾向となっているもようだ。

提供 - 函館新聞社

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