災害への対処能力の育成/教育大と附属4校が共同研究プロジェクト

update 2005/5/26 09:59

 津波や台風、列車事故など、予期せぬ災害が発生した際、危機的状況に対処する力を育てようと、道教育大函館校と附属4校園は本年度、共同研究プロジェクトに着手する。建物倒壊、交通網寸断、野営など、さまざまな状況を想定し、種目を独自に開発。体育などの時間を利用して、がれき歩行、流水水泳、野外での簡易炊飯など、児童・生徒にさまざまな体験をさせる。火災や地震、不審者を想定した訓練は多くの学校が行っているが、災害全般にわたる危機対応能力を育成しようという取り組みは全国的にも珍しい。

 プロジェクトに参加するのは、道教大附属函館小学校(上山恭男校長)、道教大附属函館中学校(冨田幸雄校長)、道教大附属養護学校(新開谷央校長)、道教大付属函館幼稚園(伊藤勝志園長)。養護学校長でもある道教大函館校の新開谷教授(体育専門)が代表を務める。

 具体的には、水害や建物倒壊、火災発生、負傷、けが人の救助、野営などの緊急事態を想定。衣服を着たまま泳ぐ着衣水泳、プールに緩やかな水流を作って泳ぐ流水水泳、浮遊物につかまって浮く練習、片足やほふくでの移動、がれき上の歩行、簡易担架作りと搬送、長距離歩行移動、救急法資格取得、個人ハザードマップ作成など、さまざまな体験活動を計画している。

 「子供たちが安全を確保し、危険から身を守るための判断や体力を養う研究。一生に一度経験するかどうかのことだが、自分の生命を守るという意味では1回でも経験することが大切」(同プロジェクト)。

 活動には、大学生や大学院生も参加。各校が子供の発達段階に応じ、体育や運動遊び、プール学習、総合的な学習の時間などの中に活動を盛り込み、他校と連携しながら実践研究を深めていく。

 25日の第1回会議で今後の方向性や取り組みを確認。今後、夏のプール学習に向け、6月末までに水害や津波を想定した種目を開発し、実践検証していく。研究は数年にわたって続け、指導法や指導内容は地域の学校にも提供していく方針。

 新開谷代表は「全国的にも初めての研究になると思う。工夫次第でいろいろなことができるだろう」と話している。

提供 - 函館新聞社



前のページにもどる   ニュースをもっと読む



ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです