御衣黄に鬱金咲く/七飯の紺野さん宅で珍しい八重桜の共演
update 2005/5/26 09:59
【七飯】緑の八重桜で知られる御衣黄(ぎょいこう)に、同じ八重桜で黄色の花びらを付ける鬱金(うこん)が咲いた。七飯町本町の紺野寛さん(70)方の庭でほぼ満開となっている。同町緑町の桜研究家、浅利政俊さん(74)は「昨年も観察され、最低2年続いたことから突然変異であることは間違いない。日本各地の桜を見てきたが自然の状態で1品種に2品種が咲いたのは初めての例で、学会でも報告がない」と学術的価値を指摘する。
御衣黄は推定樹齢が25―30年。緑と、薄紅がかった黄白色の2品種の花弁が樹木全体を彩っている。紺野さんの妻、美智子さん(66)によると、20年ほど前に苗木を植え、10年ほど前に広い場所に移植した。昨年まで札幌で生活していたため、2品種が咲いたのは、今年初めて知ったという。
1本の主枝(しゅし=根元の幹)から4本の亜主枝に分かれており、このうち1本だけが鬱金となっている。浅利さんは「主枝自体は御衣黄。ある時点で突然変異した1個の葉の芽が鬱金となり亜主枝となって伸びた。緑しか咲かない遺伝子の中にある設計図が、何らかの形で変えられた。こうした例はツバキで報告がある」と説明する。
下向きに咲く2品種は25日時点で、御衣黄が8分咲き、鬱金が満開。今月いっぱいは楽しめるという。美智子さんは「子供たちが身近なところで科学や自然を見つめるきっかけになればいいですね」と話している。
提供 - 函館新聞社
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