小林さん「天才プログラマー/スパークリエータ」に道内初認定

update 2005/5/11 10:10

 経済産業省傘下の情報処理推進機構は、斬新なソフトウエアの開発者に与える「天才プログラマー/スパークリエータ」として、半導体装置製造のメデック(函館市鈴蘭丘町、漆崎照政社長)社員、小林由佳さん(20)を認定した。函館工業高等専門学校の学生時代に開発、応募した「漫画設計支援システム『POM』」が評価されたためで、道内の開発者では初めて。

 認定は、独創的な技術やビジネスシーズ(種)を持つスーパークリエーターを発掘するのが狙い。公募制で、小林さんが臨んだのは、28歳未満の若手を対象とした「未踏ユース」。2002年度から毎年実施されている。04年度は全国から59人がプロジェクト案を提出。審査を通過した21人が300万円の補助を受けて研究に挑み、小林さんら7人が選ばれた。称号を得たのはこれまでに延べ19人に。

 POMは小林さんが卒業研究として取り組んだシステム。漫画家になる夢を持ち続けている小林さんが「初心者でも簡単に描けるソフトがあれば」と、昨年7月から半年掛けて制作した。操作は簡単。ページ数や好みの漫画家の作風を選択するだけで、起承転結のページ配分やコマ割り、構図が自動調整される。調整の基となるデータベースは有名漫画家24人、1万2000ページの分析結果に基づいており、「めりはりの利いたレイアウトから落ち着いたものまで、ユーザーのイメージは網羅している」と説明する。30を超す特許も出願中だという。

 小林さんは社内では、4月に入社したばかりの新人。装置をコントロールするプログラムづくりに、日々追われている。認定について「こんな大それた称号をいただくなんて、恐れ多い。今は先輩たちに迷惑を掛けないよう仕事を覚えなければ」と控えめに語るが、「漫画家の夢は捨ててません」と自己主張も忘れていない。漆崎社長は「柔軟な発想が魅力。パッケージソフトにして販売したい」と喜びの様子だった。

提供 - 函館新聞社



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