市交通局内部調査/市電運転士、内規失念し乗務

update 2005/5/10 10:13

 JR西日本の脱線事故などを受け、函館市交通局が実施した内部調査で、運転士数人が運転マニュアルの一部を失念するなどして乗務に当たっていたことが、9日分かった。鉄道・航空関連の事故の多くは、人的ミスが起点となっているだけに、市交通局は「指導を徹底し、改善していきたい」としている。

 道運輸局が、4月25日に起きた兵庫県尼崎市の脱線事故や、相次ぐ運輸機関のトラブルを受けて調査を通達。市交通局は5月中に道運輸局に結果をまとめ報告する。

 点検内容は〈1〉保線業務や車両の整備、管理〈2〉運転士など乗務員への教育と研修〈3〉事故発生時の伝達系統―など計17項目。

 市交通局によると、問題があったのは〈2〉の部分。市電の運転士約60人のうち、2、3人が内部規定を失念したり、安全運行の手順を省くなど、不適切な運転をしていた。いずれも職務に就いて間もない運転士で、市交通局は「今後は抜き打ちでチェックするなどし、対応していきたい」と話している。

 一方、列車自動停止装置(ATS)を設置する予定はないという。鉄道と異なる法律体系や、線路の構造などから、現状では義務化されていない。

 市交通局は今後、ソフト面での向上に重点を置き、安全を確保したい考えだ。(上杉幸生、森健太郎)

提供 - 函館新聞社



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