小田島川の浄化に一定の効果…BOD大幅減少

update 2005/5/9 10:19

 函館市が昨年12月から小田島川に設置している天然鉱石と微生物を利用した浄化装置により、生物化学的酸素要求量(BOD)などが大きく下がり、一定の効果が見られることが分かった。市土木部は「他の川水の流入などの影響もあるが、総合的に望ましい結果が出ている」としている。

 装置には水を浄化するバクテリアと、バクテリアのすみかに適した多孔質の鉱石「ナチュラルセラミックス」が入っている。市が昨年12月に同川上流の市昭和4と下流の亀田港町52の2カ所に計30基設置した。

 水質試験は2月から毎月、同じ曜日と時間帯に行われ、装置を通過する前後で水を採取している。その結果、BODは3月が装置通過前1リットル当たり86ミリグラム、通過後同8・6ミリグラム、4月は通過前同48ミリグラム、通過後6・9ミリグラムだった。

 また、水の濁り具合を示す浮遊物質(SS)は3月が通過前同60ミリグラム、通過後同7ミリグラム、4月は通過前同15ミリグラム、通過後8ミリグラムになった。ただ、通過後の調査は他の川の水が混じる地点より下流で行うため、単に装置だけの効果といえないという。市土木部は「期待した結果は出ているが、次回からは、より装置の効果が分かりやすい調査方法を検討したい」と話している。

 同川は生活工業排水などによる悪臭が指摘されており、市が対策を進めている。今後も調査を継続し、悪臭がひどくなる夏に向け、7月ごろにはさらに下流に同様の装置を増設する方針。

提供 - 函館新聞社



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