啄木から郁雨への手紙を初公開/市文学館
update 2005/5/8 10:04
函館市文学館(末広町22)は、函館ゆかりの歌人石川啄木が、義弟の宮崎郁雨にあてた書簡などの公開を始めた。「おれは死ぬときは函館へ行って死ぬ」という一節で有名な書簡を、同館として初展示。このほか、啄木が晩年、知人に書いた年賀状の複製を常設展に加えた。
同館は1993年にオープン。啄木の直筆資料の展示コーナーを設け、年2回、展示替えしている。今回のテーマは「啄木と、物心両面で啄木を支えた郁雨」。啄木が郁雨につづった3通と、直筆の原稿、函館の文芸団体「苜蓿(ぼくしゅく)社」の郁雨ら同人との写真―を新たに展観できる。
手紙は郁雨が生前に市立函館図書館に寄託し、現在80通ほど保存されている。今回公開するのは、1907(明治40)年から10(同43)年まで、函館、札幌、東京から郁雨に届けられた3通。
東京に在住していた10年12月21日の書簡は、啄木の函館への愛情がにじむ。同文学館の大島吉憲館長は「(啄木が)函館暮らしを有意義だと感じていた表れ」と説明する。展示は10月19日まで。
また、常設展に加わった年賀状は啄木が亡くなる4カ月前の12(同45)年に、病床から自由律俳句の創始者として名高い荻原井泉水(せいせんすい)にあてたはがき。病を憂え、揺れる心情が紙面から伝う。直筆は神奈川近代文学館(横浜)にあり、函館市教委が複製した。複製は全国でもこの一点だけという。入場料は大人300円(学生150円)。無料の説明も行っている。問い合わせは同文学館TEL0138・22・9014へ。
提供 - 函館新聞社
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