市立函館病院が介助法「キネステティク」導入へ
update 2005/4/27 12:00
市立函館病院(長谷川正院長)は、ドイツで主流の介助法「キネステティク」を全病棟で導入する。患者の体の自然な動きを利用することで、患者と看護師ら双方の体力的な負担が軽減されるだけでなく、リハビリテーション効果も期待できる。同病院は「研修会を開催し、年度内に看護師全員に技術を習得させたい」と話している。
キネステティクはドイツ語で「動きの感覚についての学問」の意味。看護学校でも教えられ、一般的な介助法として定着しているという。
例えば、座った患者を立たせる際、患者のかかとをひざより後ろにさせておき、前方に伸ばされた両腕を下向きに引くことで、自然に腰が浮く流れをつくることができる。このように、患者の自発的な動作を促すことが、キネステティクの特徴だ。
一方、日本ではアメリカ型の「ボディーメカニクス」が主流。速やかに患者に対応することにウエートが置かれている。ただ、患者、看護師ともに肉体的な疲労が大きく、余分な摩擦で床擦れの恐れもあるという。
キネステティクが日本で広まり始めたのは4、5年前から。道内では市立士別病院の外科医、沢口裕二氏が中心となって普及を進めている。
市立函館病院でも、看護師数人が2年前、沢口氏から指導を受けたことがきっかけで、導入を検討。入院患者に高齢者が多いことなどから、実態に即した介助法と判断し、導入を決めた。
ただ、研修に時間を要することや、ボディーメカニクスよりも介助に時間がかかるため、人員確保などの課題がある。同病院は当面、各病棟の代表者に研修を受けさせ、その看護師を通じて全病棟への浸透を図る方針だ。
同病院は「院内のほか、在宅で介護に当たる市民へも講座などを通じ普及させていきたい」としている。
提供 - 函館新聞社
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