八雲4人死亡事故から9カ月/亡き長男が通った自動車学校に父からの手紙

update 2005/4/16 11:18

 輪禍で悲しむ人がいなくなるように―。2004年8月3日、八雲町野田生の国道5号で起きた交通事故で親族4人を失った農業の男性(43)=上磯町=が、「道南自動車学校」(函館市金堀町、徳田清美校長)に遺族の思いを書き留めた手紙を送った。同校は犠牲となった男性の長男(当時18歳)が通った教習所。父の切実な願いがこもる一通で、命の尊さを訴える「言葉」は教習生に受け継がれ、脈動を始めている。

 事故当日、男性の義父(同67歳)が運転する車には、義母(同63歳)、長男、二男(同15歳)が乗車。札幌方面から男性宅に向かう途中に対向の大型トラックと衝突、頭を強く打ち4人全員が亡くなった。

 「幸せだった日々が一変した。一生、痛みと悲しみは消えない」と男性。「息子たちは夢と希望を持ち輝いていた。こんな形で逝ってしまうなんて…」と兄弟の写真を見つめ、涙ぐむ。

 道南自動車学校は、手書を受け取って以来、教習生に対し読み聞かせを続けている。徳田校長は「(名前を伏せて)卒業時講習で話しているが、涙を流し聞き入る生徒も多い」とし、「命の大切さを伝え、悲惨な事故を少しでも減らしていきたい」と語気を強めた。

提供 - 函館新聞社



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