新築住宅着工戸数が半減

update 2005/4/14 10:16

 函館市内の2004年度新築住宅着工戸数が、前年度と比べほぼ半減したことが、市の調べで分かった。長屋を含むアパート、マンションなど、共同住宅は棟数で2分の1、戸数で3分の1にまで激減。これまで全体を下支えしていた共同住宅の着工が伸びない一方、小規模化による戸数減という新たな特徴も見られた。共同住宅の供給過剰という側面が一層、鮮明となり、この状況は今後も続くとみられている。

 市都市建設部によると、04年度の総着工戸数は前年度比48・0%減の1416戸。内訳は戸建てが807戸(前年度比9・5%減)、長屋を含む共同住宅が609戸(同66・8%減)。戸建ての変動が小幅なのに対し、大手業者の参入などを背景に、近年は1500戸以上で推移していた共同住宅の急激な落ち込みが、全体を押し下げた格好だ。

 このうち、共同住宅だけをみると、棟数は96棟で同50・3%減にとどまったが、戸数は66・8%減。1棟当たりの戸数が減っていて、建物の小規模化という傾向がみられた。

 同市内のある不動産会社は「共同住宅の戸数はすでに充足しているのが実態」と説明する。さらに「満室経営のための戸数を抑えた小規模化という風潮や、消費者が新築よりも価格の安い物件を好む傾向も見られ、しばらくの間は共同住宅の伸びに期待できない」と指摘する。

 また、ある建設会社(同市内)は「大手業者の参入や、資産運用としてのアパート経営など、これらの動きが収まってきた結果。共同住宅の受注は確実に減っており、回復は当分、見込めない」としている。

提供 - 函館新聞社



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