ラッピング市電人気、キャンセル待ち続く

update 2005/4/12 10:06

 企業などの広告を市電の車両表面にあしらう「ラッピング市電」が、導入から31年目を迎えるが、地元企業を中心に根強い人気を保っている。4月現在も、数社がキャンセル待ちの状態。函館市交通局は「(市電は)市民や観光客の目に付きやすく、高い費用対効果が期待できるからでは」と分析する。

 同交通局は、1975(昭和50)年5月、ラッピング市電を開始した。広告使用の第1号は、同市松風町のパチンコ屋跡地にあった「さいかデパート」(98年に閉店)だったという。 市電全33両のうちラッピング市電は現在29両を運行。函館に本社のある製造業や小売店、サービス業など、利用する業種は幅広い。

 函館市や渡島支庁など地方自治体による広告もあり、「国民年金の加入呼び掛けや人権擁護を訴える内容」(同交通局)。防犯などを呼び掛ける道警のパトカー型も登場している。

 掲載は年間契約で、広告料は年間126万。車両の塗装やデザインにかかる費用は、各企業が負担し平均80万円程度。更新は自由で一度車両を作ると広告料だけで済み、余分な負担を軽減できる。

 運行時間が午前6時半から午後11時までと長く、1日当たり平均8回は市街地を通り、人目に触れる機会が多いことも人気アップにつながっているようだ。

 同じく市電を運行する札幌市交通事業振興公社は「問い合わせが頻繁にある」という。2000年にラッピングを導入し、30両中10両を使用。広告料は月額18万円(年額216万円)。

 新年度を迎えて空き車両が1両出たが、3社から申し込みがあり、抽選で決定したという。同公社は「市電は人けのない郊外を走らないのが魅力なのでは」としている。

提供 - 函館新聞社



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