函館公園のサクラ、野鳥に食べられ花芽減少
update 2005/4/10 13:20
函館市青柳町の函館公園で、サクラの花芽が野鳥に食べられるなどして、ほとんど無くなっている。園内にはソメイヨシノ、ヤエザクラを中心に約570本のサクラがあり、同市内のサクラの名所の一つ。園内では開花を楽しみに木を眺める人の姿も見られるが、今年はいつものような花吹雪は期待できないようだ。
「3分の2は無くなっています」。同公園管理事務所は肩を落とす。
大きな原因として、冬鳥のウソが食べた量が例年より多かったと考えられる。同事務所では「数羽のグループで来ているのをよく見ました」と話す。ウソはスズメより少し大きく、サクラの花芽、特にソメイヨシノを好物としている。
道南では函館山などに1―3月に飛来。例年だと山の上部にある木の芽などを食べるが、今年は昨秋の台風の影響で倒木が多いことや、2月の大雪の影響でmノが少なくなったため、同公園などで花芽を求める鳥が多かった可能性がある。
サクラの生態について詳しい道教育大函館校の非常勤講師、浅利政俊さんは「函館公園ではウソが食べた跡がしっかり残っていた。例年来ることがない教育大構内のサクラの木にまで来ていることが確認された。山にmノがなく、厳しい生活だったのだろう」と話す。
道鳥獣保護員の小松俊男さんは「ウソが里に下りてきたことは考えられるが、ほかにも条件が重なり、被害が大きくなったのでは」とみる。浅利さんは「全国的にサクラの木の老齢化が問題になっており、サクラの管理が難しくなっていることも要因の一つ」と指摘する。
生活環境が厳しくなっていることから、冬鳥の飛来数が増えているとは考えにくい。こうした中で、ことしの花芽の少なさは異例。浅利さんは「ウソはソメイヨシノを狙う。公園内の木を同じにせず、オオヤマザクラなどを混ぜ、楽しめるようにするのも解決策になるのでは」と話している。
提供 - 函館新聞社
ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。