自主防災組織組織率が30%超/活動の中心が高齢者、若者不足に課題
update 2005/4/9 13:02
災害時に住民同士が助け合う自主防災組織の設立が、函館市内で相次いでいる。昨年度末までに発足した数は34団体に上り、世帯数当たりの組織率は30%を超えた。背景には阪神・淡路大震災を契機にした防災意識の高まりがある。ただ、町会を母体にしているため、活動の中心を高齢者が担っているのが実態。今後は組織率向上とともに、若年層の取り込みが大きな課題になりそうだ。
函館では1996年7月の松陰町会防災部が皮切り。96年度から99年度までは各1団体ずつの結成で出足は鈍かったが、2000年度以降は4団体、5団体、3団体が発足した。03年度は10団体、昨年度は8団体が設立され、世帯数当たりの組織率は34・3%まで上昇。全国平均の62・5%(04年4月1日現在)には及ばないが、全道平均の35・7%(03年4月1日現在)に大きく近づいた。
組織率の向上について市総務課は「多くの市民が防災の重要性を再認識していることの表れ」と分析。新潟県中越地震やスマトラ島沖地震など、昨年度に国内外で起きた大災害を教訓に「住民の意識はより高まっており、組織率は今後、さらに伸びるのでは」とみている。
一方、各団体の高齢化という問題も浮上している。34団体はいずれも町会が母体で、町会活動と同様に若者の参加は非常に少ない状態にとどまっている。
東山町会自主防災組織の渡辺春夫会長は「組織ができてから、訓練への参加者が増え、意識も確実に高まっている。ただし、担い手は高齢者で、災害時に力を貸してほしい若年層をいかにして呼び込んでいけるかが、これからの最大の問題」と指摘している。
提供 - 函館新聞社
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